人がものを認識する時には、人はその形を見て瞬時に「それが何であるか」を判断します。
人の意識はその「形」で止まることなく、すぐにその後にある、ものの意味へ、移行、というほどの実感もないくらいに素早く移ってゆきます。ものの形はそのものの意味を表わす記号であって、人はその意味のほうを重視していると言えるのではないでしょうか。
私は普段、生活している中で、目にはいってきたものの形を切り取り、パネルに描く、ということで、そのものの形と意味をバラバラにしてみたいのです。そして、例えば人工物と、人体などの自然物のように、全く違った存在のものを「自分が見た形」という点だけで同じように切り取ってみたいのです。
意味を取り払って、形だけとしてそのものを見た時に、もともとのそのものの価値とは全く違った、何か別の価値や意味が生まれてくるのではないか?という試みです。
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