映像的に見ている光景と、感じる光景との間に差異が発生することがある。
私がとらえたいのは、その間にあるもの、私にかかる何らかのフィルターである。
フィルターの発生の原因は様々であり、日常の中にそれらがころがっている。
それは例えば、音、におい、想い、喚起された記憶などである。
私が描いているのはそのフィルターによって切り替わった光景であり、またフィルター自体でもある。
そして、重要なのはフィルターが「発生してしまうもの」であるということだ。
外からの要因によって、自分でコントロールできない変換がおきてしまうということ。
そのドラマティックを絵の具のドラマティックにのせて、想像を絵が超えていくような面のむこうに宇宙が発生するようなそんな絵画を描きたい。 |